飛騨高山の老舗和菓子処「稲豊園」|125年続く伝統と招福猫子まんじゅうの魅力

飛騨高山の老舗和菓子処「稲豊園」|125年続く伝統と招福猫子まんじゅうの魅力

四季を映す和菓子と、手仕事で生まれる愛らしい名物菓子を取材

125年、飛騨高山の四季とともに歩む老舗和菓子店

飛騨高山で長く愛され続ける和菓子処稲豊園とうほうえん)」。
その名には、豊かに実った稲穂のように、頭(こうべ)を垂れた謙虚な心を忘れず、実りある店であり続けたいという想いが込められています。

1901年、初代・中田徹氏が東京で和菓子に魅了され、修行を重ねたのち高山の地で創業125年に至ります。
時代を超えて受け継がれてきた技と心は、現在も変わらず一つひとつのお菓子に息づいています。

~老舗を未来へとつなぐ挑戦者~ 三代目社長・中田専太郎氏

稲豊園三代目・中田専太郎氏が守り続けるもの

稲豊園三代目・中田専太郎氏が守り続けるもの

稲豊園の歴史は、初代の中田徹氏が1901年に創業して以来、100年以上三代にわたって受け継がれてきた老舗の歴史です。
現在その伝統を支えるのが、三代目社長の 中田専太郎(せんたろう)さん です。
専太郎さんは幼いころから店を手伝いながら育ち、当初は法律関係の勉強を続ける「万年受験生」だったそう。
しかし注文が入れば時間を忘れて仕事に打ち込む日々が続き、やがて和菓子づくりの奥深さに魅了され、30歳を過ぎてから本格的に菓子職人としての道を歩み始めました。
仕事と学びを両立するつもりが、いつしか和菓子の世界にどっぷりと魅せられていったのです。

四季を映す、心なごむ和菓子たち

稲豊園

稲豊園のショーケースに並ぶのは、季節の移ろいを表現した生菓子や、思わず笑顔になる愛らしい和菓子の数々。
中でも人気なのが、看板商品の**「招福猫子まんじゅう」**。

路地裏から生まれた、招福猫子まんじゅう

猫子まんじゅう

稲豊園の看板商品「招福猫子まんじゅう」は、
和菓子屋の隣にある路地裏で暮らすノラ猫たちをイメージして生まれました。

稲豊園

路地とは、人々の暮らしが息づく身近な空間でありながら、
どこか異世界へとつながっていそうな、不思議な神秘性を感じさせる場所。
稲豊園のすぐ隣にも、そんな路地があります。

その路地を行き来するノラ猫たちの姿を見ているうちに、
こんなおまんじゅうがあったら楽しいのでは
そんな想いから、招福猫子まんじゅうは誕生しました。

  

5匹の猫子、それぞれ違う個性

招福猫子まんじゅうは、全部で5種類
それぞれの猫子(ねこ)に個性を持たせるため、皮の生地も、中の餡もすべて異なります

猫子まんじゅう
  • とら猫:黒糖生地・小豆粒あん
  • 黒猫:竹炭生地・黒糖あん
  • 三毛猫:プレーン生地・抹茶あん
  • ロシアンブルー:黒ごま生地・小豆こしあん
  • 白猫:プレーン生地・クリームチーズあん

どれにしようか迷う時間も、楽しみのひとつです。

すべて手作業、だから表情が違う

招福猫子まんじゅうは、一匹一匹すべて手作業
そのため、表情や形、模様は少しずつ異なり、まったく同じ顔の猫子はいません。

お嫁に行ってらっしゃい
そんな気持ちで送り出しているという言葉からも、
このおまんじゅうに込められた愛情が伝わってきます。

かわいらしい見た目の奥に、
職人の手仕事と物語が詰まった稲豊園ならではの和菓子。
招福猫子まんじゅうは、食べる前から心をほぐしてくれる存在です。

縁起の良い猫をモチーフにした姿は、贈り物にもぴったりです。

人気の招福猫子まんじゅうができるまで

まずは、生地作りから。
職人の手で丁寧に生地をこね、粉の状態やその日の湿度を確かめながら、ほどよい柔らかさに整えていきます。
手の感覚だけを頼りに、なめらかで包みやすい生地へと仕上げていく、最初の大切な工程です。

稲豊園
猫子まんじゅう
猫子まんじゅう

次に、餡をやさしく包み込み、ひとつひとつ形を整えたら、蒸し器へ。
生地が割れないように、空気を含ませすぎないようにと細やかな気配りが続きます。

猫子まんじゅう

ふっくらと蒸し上がった瞬間、甘い香りが立ちのぼりますが、
この時点ではまだ、あの愛らしい猫の表情は完成していません。

ここからが、招福猫子まんじゅうならではの工程。
蒸し上がったおまんじゅうに、猫の顔の焼き印を押すことで、一気に表情が生まれます。
焼き印を外した瞬間に立ち上る、ほんのり甘い香りも印象的です。

猫子まんじゅう

最後に、目玉を丁寧に付けて完成
機械では出せない、わずかな表情の違いが、手仕事ならではの温かみを感じさせてくれます。

猫子まんじゅう

どの猫も、少しずつ表情が違うんですよ
そんな言葉どおり、並んだ招福猫子まんじゅうには、それぞれ個性が宿っています。

猫子まんじゅう

ほかにも、

  • よもぎの風味が豊かな 草まんじゅう
  • 新栗が贅沢に入った、飛騨高山の郷土菓子 栗よせ
草まんじゅう
栗よせ

など、素材の持ち味を大切にした和菓子が揃います。

伝統的な製法を軸にしながらも、新しい発想を取り入れるのが稲豊園のこだわり。
素材選びから製法まで一切妥協せず、丁寧に作られたお菓子は、世代を問わず支持されています。

季節限定の楽しみも

稲豊園では、季節の行事に合わせた限定菓子も毎年登場。
デザインは少しずつ変えられ、訪れるたびに新しい発見があります。

稲豊園
稲豊園
いちご大福

中でも冬季限定のいちご大福は、毎年楽しみにしているファンも多い人気商品です。

伝統を感じる店構えと、あたたかな接客

稲豊園
四代目 中田大介 様 と 奥様

店内は、老舗ならではの落ち着いた雰囲気を大切にした空間。
季節のお菓子を毎年楽しみにしている」という声も多く、県内外から足を運ぶお客様が後を絶ちません。

接客で心がけているのは、明るく、頼れる存在であること
初めての方でも安心して相談できる、あたたかな対応が印象的です。

  

見た目も楽しい、稲豊園ならではの魅力

稲豊園の和菓子は、味だけでなく見た目にも工夫が凝らされています。
妖怪や干支をモチーフにしたお菓子など、遊び心のあるデザインは「選ぶ時間」も楽しくしてくれます。

稲豊園
稲豊園

飛騨高山で大切な贈りものと言えば稲豊園の和菓子

お祝い事や法要、地域の行事など、人生の大切な場面に選ばれてきた背景には、こうした細やかな心配りがあります。

もっと身近に和菓子を感じてほしい
そんな想いから、地域のお寺や町内行事、夏祭りやマルシェにも積極的に参加。         

飛騨高山の四季を感じられる和菓子作りを、これからも大切にしていきたいと話します。

今後は、伝統技術と現代の感性を掛け合わせた商品開発にも挑戦予定。


高山の日常風景であり続けるために

稲豊園

「変わらず営業を続けることが、高山の当たり前の風景になる」
その言葉どおり、稲豊園はこれからも地域の文化の一部として、和菓子を作り続けていきます。

四季のお菓子から人気の招福猫子まんじゅうまで、
味にも、見た目にもこだわった和菓子が揃う稲豊園

飛騨高山を訪れた際には、ぜひ立ち寄ってみて下さい。

INFORMATION

稲豊園
店舗名
稲豊園
所在地
〒506-0017 岐阜県高山市朝日町2
営業時間
9:00~18:00
定休日
火曜日
駐車場
-
連絡先
0577-32-1008
アクセス
JR高山駅から徒歩10分
ひだホテルプラザから徒歩10分
ホテルスタッフの
おすすめ

「ショーケースに並ぶ猫たちを見ているだけで、思わず笑顔になってしまいます。
招福猫子まんじゅうは見た目の可愛さはもちろん、素材の良さと丁寧な手仕事が感じられる優しい味わい。
写真に撮ってから、ゆっくり味わうのもおすすめです。」

※この情報は2026年2月現在の情報です。

この記事を書いた人:ひだホテルプラザKさん

ひだホテルプラザ

JR高山駅から徒歩5分。
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