sightseeing
自然の美しさと伝統文化が融合した飛騨高山
観光

多くの人が行き交う安川通りを歩いていくと、通り沿いに佇む飛騨国分寺の境内の手前に、「願掛けなでさるぼぼ」がそっと置かれている。
にぎわいのある街中にありながら、この小さな一角では日常の喧騒が少しだけ遠ざかり、自分の願いに向き合える不思議な安心感がある。
飛騨地方に伝わるさるぼぼは、「猿の赤ちゃん(猿ぼぼ)」を意味する人形。高山を訪れる観光客にも愛される郷土の守りものだ。
その中でも「願掛けなでさるぼぼ」は、特別な存在。
撫でることには意味があり、願いごとによって撫でる箇所が決まっている。頭をなでれば「学業・知恵」、心臓をなでれば「出世・仕事」、身体の気になる部分をなでれば「健康」など、それぞれの願いを込めて手を伸ばす。

TAKAYAMAポケットスタッフも「頭がよくなりたい」「出世したい」「体の健康を願って」――思い思いの気持ちで、頭から足まで くまなく撫でた。
そのしっとりとした佇まいと柔らかな表情は、祈願の場であると同時に、訪れる人それぞれの心のよりどころにもなっている。


この「願掛けなでさるぼぼ」があるのは、飛騨国分寺の入り口。高山駅から歩いてほんの数分、飛騨国分寺の少し奥まった所にあって、意外と目につきにくいのでご注意下さい。
屋根の下に静かに佇むさるぼぼ、その隣には「満願成就の棚」が設けられていて、願いを書いたさるぼぼが掛けられている。
まさに「人知れず祈る場所」――その静けさが、願いを込める心を一層純粋なものにしてくれるのだ。

願いを託したさるぼぼには、やがてその役目を終える時がやってくる。
古くなったもの、願いが叶ったもの、、、
そんな“卒業”を迎えるさるぼぼたちにも、再び祈りが捧げられる。
飛騨国分寺の庚申堂では、毎年4月、古いさるぼぼの人形が集められ、供養が行われている。供養は、飛騨のさるぼぼ製造協同組合様が取り仕切っており、遠方に住む人から送られてきたさるぼぼも大切に扱われる。
参列する人が「ありがとう」と心の中で語りかける。長年一緒にいた人形に、祈りと感謝を込める時間となります。
そして、また新たな願いが、未来の誰かによって託されていく。

「願掛けなでさるぼぼ」と「さるぼぼ供養」。この二つは、高山に息づく「人の思いを大切にする文化」そのものだ。旅の途中でさるぼぼに手を伸ばすと、自分の中にある願いや迷いが、ふっと形を帯びてくる。
その優しい時間が、きっと未来への小さな勇気につながる。
高山を訪れたときは、ぜひ飛騨国分寺へ足を運んでみてほしい。
願いを込めてそっと撫でる瞬間も、役目を終えたさるぼぼを思いやる気持ちも、疲れた心にそっと寄り添ってくれるように感じられる。
この場所に立つと、自分の願いと感謝がさるぼぼとともにやさしく息づいているのが感じられる。
ここには、そんな穏やかな時間が流れている。
INFORMATION

ひだホテルプラザから徒歩圏内の安川通りにある「願掛けなでさるぼぼ」は、観光でにぎわう街中にありながら、ほっと心が落ち着く小さな祈りのスポットです。旅の途中に立ち寄って、願いごとをそっと撫でながら、自分の思いと向き合ってみるのがおすすめです。
※この情報は2025年11月現在の情報です。
この記事を書いた人:ひだホテルプラザKさん

JR高山駅から徒歩5分。
ようこそ魅力あふれる街 飛騨高山へ。
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