飛騨高山・宮川朝市|地元の旬と人情があふれる日本三大朝市の魅力を現地レポート

飛騨高山・宮川朝市|地元の旬と人情があふれる日本三大朝市の魅力を現地レポート

宮川沿いに広がる白いテントの賑わい。

飛騨高山を代表する観光スポットのひとつ、飛騨高山宮川朝市(ひだたかやまみやがわあさいち)は、毎朝、清らかな宮川の東岸・鍛冶橋から弥生橋までの約350~700mにわたり、白いテントが連なる活気ある朝市です。
高山市民の台所である一方、日本三大朝市の一つと称され、国内外から多くの観光客が訪れます。

旬の味覚と伝統工芸、飛騨弁──ここでしか出会えない朝のひととき。

朝市の歴史とルーツ

朝市の歴史とルーツ

この朝市の起源は1800年代初頭、蚕農家が桑を売っていた「桑市」に遡ります。
その後、明治期には野菜や花を売る「野菜市」へと変化し、1953年に現在の宮川沿いに定位置が定められました。
以来、直売スタイルと生産者との会話を通じて、地域文化と調和した魅力が継承されています。

四季折々の風景と旬の品々

四季折々の風景と旬の品々

春:タラの芽、コシアブラ、ウドなど、山の恵みを感じる山菜がずらりと並びます。川沿いの桜が満開になる頃には、花見を楽しみながら買い物も満喫できます。
夏:トマト、キュウリ、ナスなど新鮮な夏野菜が登場。川風に吹かれながら味わう朝ごはんは格別です。
秋:新米やリンゴ、飛騨ねぎに白菜の品評会など、実りの季節ならではの賑わいが楽しめます。11月の「収穫祭」では特産品の販売が特に盛んになります。
冬:お餅や漬物、冬野菜が豊富に並び、雪景色のなかで訪れる朝市はまた格別の風情があります。

宮川朝市のテントに並ぶ品々は、季節や気候に合わせて少しずつ変化し、訪れるたびに違った出会いを楽しませてくれます。

魅力的な体験ポイント

朝市の魅力は「飛騨弁」にあり

飛騨高山宮川朝市を歩いていると、どこからともなく飛び交うのは、あたたかみのある飛騨弁
「おはようさんな」「これ、食べてってみらっせ」「遠いとこから、よう来てくれたなぁ」といった、やさしくもテンポのよい方言に、思わず頬がゆるみます。

宮川朝市

飛騨弁は、意味がわからなくても、どこかほっとする音の響き。
それはまるで、朝市のあたたかさそのもののように、旅人の心を和ませてくれます。

  

  

飛騨高山宮川朝市で味わいたい“朝のごちそう”

ただ歩くだけじゃもったいない。宮川朝市のもうひとつの楽しみは、その場で食べ歩きできる飛騨グルメたちです。朝早くから胃袋が目覚めてしまうのも納得のラインナップをご紹介します。

● みたらしだんご(しょうゆ味)

みたらしだんご

まず外せないのが、飛騨名物・しょうゆ味のみたらしだんご
朝の空気にふわりと漂う焼き醤油の香りがたまりません。
地元産のうるち米で作られた団子は、もっちりしていて素朴な味。一本100円前後と手頃なので、朝市を歩きながらパクッとどうぞ。

● 地元野菜の漬物&惣菜

朝市

地元のお母さんたちが作った自家製の漬物や煮物、おこわも朝市グルメの隠れた主役。
「これ、昨日の夜に仕込んだんやさ」と言って差し出される朴葉味噌やふきの煮物は、まるで実家に帰ってきたかのような優しい味。自分好みの一品を見つける楽しさもあります。

  

● 高山産の朝茹でとうもろこし──朝市のごちそうは、甘さが主役

宮川朝市

夏の朝の空気のなかでひときわ目を引くのが、朝茹でのとうもろこし
ほんのり甘い香りが漂い、思わず足を止めてしまいます。

「今朝4時に茹でたんやよ。採れたてやさ」と笑顔で手渡してくれたのは、地元農家のお母さん。
かじった瞬間、粒がぷちっとはじけて広がるのは、まるで果物のような甘み。
そのままでも十分おいしいけれど、「塩ふってもええよ」とすすめられる素朴なひと言もまた嬉しい。

宮川朝市

一度食べたら、忘れられない。
そんな朝茹でとうもろこしとの出会いも、宮川朝市だからこそ楽しめる“旬の贅沢”です。

● あったかスープや新しいかたちのグルメも

冬の寒い朝には、野菜スープや甘酒を出す屋台もありがたい存在。
最近ではおしゃれなグルメを提供する若手出店者も増え、伝統と新しさがほどよく融合しています。
冷えた身体に染み渡る一杯は、朝市の小さなご褒美です。


グルメ目当ての観光客にとって、宮川朝市はまさに“朝食天国”。
つくり手の顔が見えるからこそ、一つひとつの味に込められた想いが伝わってくる。そんな温もりこそが、ここでしか味わえない特別な“朝ごはん”なのです。

  

  

手にした瞬間、旅が深まる。宮川朝市の民芸品とお土産たち

宮川朝市

宮川朝市の魅力は、食べ物だけではありません。
川沿いに並ぶお店のなかには、飛騨の暮らしに根ざした手しごとの品々や、心がほっとするような小さなお土産がずらり。旅の記憶を形にしてくれるアイテムたちとの出会いも、朝市ならではの楽しみのひとつです。

● さるぼぼ──“幸せ”を連れて帰るお守り

宮川朝市

飛騨といえば、まずはさるぼぼ
「災いが“去る”」「子宝・安産」などの願いが込められた郷土人形で、朝市では手のひらサイズからキーホルダータイプまで、**カラフルで個性的な“手づくりさるぼぼ”**が揃います。

宮川朝市

店主に「どれが人気ですか?」と聞くと、「やっぱり赤やね。でも最近は青やピンクもよう売れるわ」とのこと。
それぞれに意味があるので、色選びもお土産選びの楽しさの一つです。

● 一位一刀彫や木工品──飛騨の“技”を感じる逸品

朝市

飛騨の伝統工芸といえば、一位一刀彫(いちいいっとうぼり)
細やかな彫りと滑らかな木肌が特徴で、朝市には小ぶりの置物や根付(ねつけ)など、観光客向けに持ち帰りやすい作品も並びます。

また、地元の職人さんが作った木の箸やカトラリー、まな板なども人気。
「この木は地元の山で採れたんさ」「何年でも使えるで」といった、作り手ならではの言葉が聞けるのも朝市ならでは。

● 手づくり雑貨や布小物──暮らしにやさしさを添える

宮川朝市

飛騨高山の風景や草花をモチーフにした手染めの手ぬぐいやポーチ、布小物など、女性に人気のクラフト作品もたくさん並びます。
「全部ミシンじゃなくて手縫いなんやよ」とにっこり笑う店主の言葉に、つい財布の紐もゆるんでしまいます。

● 地元発の調味料やジャムもお土産にぴったり

食のお土産としては、飛騨山椒や朴葉味噌、地元産果実のジャムやはちみつもおすすめ。
小瓶サイズで持ち運びしやすく、「旅の朝ごはんの味」を家でも楽しめます。


品物の良さだけでなく、**作り手と交わす会話そのものが、何よりの“おみやげ”**になるのが宮川朝市の魅力。
量産品ではない、世界にひとつだけの温もりを、ぜひ見つけてみてください。

  

宮川朝市

 

おすすめの楽しみ方は?

  1. 早朝到着もおすすめ:季節によって異なりますが、夏の時期は6時台から地元生産者がテントを設置する活気ある様子が見られます。【Open 夏期7:00・冬期8:00】
  2. 隣接のスポットと一緒に:古い町並み、高山陣屋、民芸館など歴史ゾーンも徒歩圏内。一日観光の起点として最適。

朝市の余韻と、旅のはじまり

宮川朝市を歩いていると、不思議と心がほぐれていくのを感じます。
早起きした分だけ出会える、地元の人とのあたたかな会話。季節の恵みをまるごと感じられる素朴なごちそう。手に取るたびにぬくもりが伝わる民芸品やお土産。
ここには、観光地というよりも、「生きているまちの暮らし」がそのまま流れているのです。

宮川朝市

朝市をひとまわりして、ふと川沿いのベンチで腰を下ろすと、川風がやさしく髪をなでていきます。
手にしたみたらしだんごの香ばしい匂い、リュックの中にしまったさるぼぼ
それらすべてが、旅の思い出として静かに心に刻まれていくようです。

飛騨高山の朝は、ここからはじまる。
日常と非日常がやさしく交わる「飛騨高山宮川朝市」で、あなただけの一日を始めてみませんか?

INFORMATION

飛騨高山・宮川朝市(ひだたかやま・みやがわあさいち)
店舗名
飛騨高山・宮川朝市(ひだたかやま・みやがわあさいち)
所在地
岐阜県高山市下三之町
営業時間
【4月~11月夏季間】
午前7時00分より12時まで
【12月~3月冬期間】
午前8時00分より12時まで
定休日
年中無休(天候によって出店が少ない場合あり)
駐車場
駐車場情報
連絡先
-
アクセス
ひだホテルプラザから徒歩7分
JR高山駅から徒歩11分・バス3分
ホテルスタッフの
おすすめ

「地元のおばあちゃんが作る漬物は、どれも優しい味でおすすめです。中でも赤かぶの漬物は飛騨ならではの名物。試食させてもらえるお店も多いので、朝市を歩きながらお気に入りを見つけてください。」

「甘いものが好きな方には、五平餅や飛騨りんごジュースも人気。朝市でしか出会えない味がたくさんありますよ。」

※この情報は2025年7月現在の情報です。

この記事を書いた人:ひだホテルプラザKさん

ひだホテルプラザ

JR高山駅から徒歩5分。
ようこそ魅力あふれる街 飛騨高山へ。
お泊りはひだホテルプラザへぜひどうぞ♪

電車・お車など様々な交通手段でも
とっても便利な好立地!
有名な観光地へも近くアクセス抜群です。
お泊りは駐車場も無料です♪

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